ピロリ菌検査で「陰性」だった私。でも除菌後の「陰性」とは意味が全く違います。

先日、定期健診を
受けてまいりました。
今回はオプションで
「ピロリ菌検査」を
追加したのですが、
結果は幸いにも「陰性」。
通知を見た瞬間、
正直なところ
「ああ、よかった」と、
ほっと胸をなでおろしました。
皆様も、検査結果で
「異常なし」の文字を
見た時、肩の荷が下りる
ような感覚になることは
ありませんか?
しかし、この安堵感の中に
こそ、私たちが陥りやすい
思考の落とし穴があります。
所沢みやた内科クリニック
宮田大士先生による解説を
拝読し、
私はある「決定的な違い」
を認識せざる
を得ませんでした。
それは、今回のような
「元からいなかった陰性(未感染)」
と、
治療を経て
「菌が消えた陰性(除菌後)」
とでは、同じ「陰性」という
言葉でも、医学的なリスクの
意味合いが全く異なる
ということです。
もし、
この記事を読んでいる
あなたが、
「過去に除菌をしたから今は陰性(=もう安心)」
と思われているとしたら、
そこには大きな誤解が
あるかもしれません。
今回は、
決して無視できない
「身体の歴史」
についてお話しします。
「火」は消せても、「焼け跡」は残る
なぜ、同じ「陰性」でも
意味が違うのでしょうか?
その理由は、胃の中で起きて
いた「歴史」の有無にあります。
未感染であれば、胃の粘膜は
本来の健康な状態を保って
います。しかし、一度でも
ピロリ菌が住み着いていた
場合、そこには長年の
「慢性的な炎症」の跡が
残ります。
宮田先生の解説によれば、
ピロリ菌は胃の粘膜を
徐々に薄くし(萎縮)、
「腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)」
と呼ばれる、胃がんの土台と
なる状態へと変化させて
しまうそうです。
これを火事に例えてみましょう。
除菌治療は、
燃え盛る「火」を消す
行為です。火が消えれば、
これ以上被害が広がる
ことは防げます。
しかし、
火事によって焼けて
しまった柱や壁
(萎縮した粘膜や
変性した細胞)が、
火が消えたからといって、
即座に新築同然に
戻るわけではないのです。
「除菌後の陰性」の方に
リスクが残るのは、
除菌するまでに蓄積された
「ダメージの歴史」がそこに
あるからです。
この事実を無視して
「今は菌がいないから、
未感染の人と同じくらい大丈夫」
と判断してしまうのは、
あまりに早計だと思いませんか?
「観測」し続けることの重要性
では、除菌経験のある方は
どうすべきなのでしょうか。
答えはシンプルかつ本質的です。
それは
「定期的な内視鏡検査」
を続けること。
リスクがゼロにならない以上、
ご自身の身体が抱える
「過去のダメージ」と
向き合い、その後の変化を
見守る必要があります。
・現状を知る:
自分の胃粘膜がどの程度
萎縮しているのか。
・変化を追う:
万が一、悪い芽が
出てきたとしても、
早期に発見する。
内視鏡検査は、
いわば身体内部の「定点観測」
です。早期発見さえできれば、
内視鏡による身体への負担が
少ない治療で完治を目指す
ことも可能です。
「痛そう」「苦しそう」と
いうイメージだけで検査を
敬遠し、手遅れになってしまう
ことこそ、最も避けるべき事態
ではないでしょうか。
最近では鼻からの内視鏡や、
寝ている間に検査するもの等
苦痛の少ない選択肢も
増えています。
健康とは「点」ではなく「線」である
開発者として私が常に
意識しているのは、
身体を「点(その瞬間)」
だけで見ないということ
です。
検査結果が陰性だった
その瞬間だけでなく、
過去どうだったか、
そして未来どう変化していくか。
昨日の食事が今日の
身体を作り、長年の炎症が
将来のリスクを作る。
身体は常に時間軸の中で
変化し続けています。
私は幸いにも未感染でしたが、
だからといって胃がんリスクが
ゼロになったわけでは
ありません。
今回の結果に慢心せず、
私も定期的な検診は
続けていくつもりです。
もし、読者の皆様の中に
「除菌したからもう検診は受けていない」
という方がいらっしゃれば、
ぜひ一度、専門医のもとで
「今の身体の状態」を
確認してみてください。
真実を知り、正しく恐れ、
正しく備えること。
それこそが、長く健やかに
生きるための最大の防御策に
なると、私は考えています。
