そのヨーグルト、本当にあなたの腸に合っていますか?

「腸活といえばヨーグルト!」
なんとなく、これが
常識になっていますよね。
スーパーに行けば
「腸にいい乳酸菌」
「お通じ改善!」と
書かれたヨーグルトや
乳酸菌飲料がずらり。
毎朝欠かさずヨーグルトを
食べて、
「これで腸活はバッチリ」
と安心している方も多いと
思います。
でも今回ご紹介するのは、
そんな“腸活=ヨーグルト神話”に、
ちょっと待った!というお話です。
腸活ブームなのに、大腸がんは
増え続けている現実
今、日本では大腸がんが急増しています。
男性:死亡原因の第2位
女性:死亡原因の第1位
40年前と比べて、なんと
約2〜3倍に増えていると
言われています。
原因として大きいのが、
いわゆる「生活の欧米化」。
肉や脂肪の多い食事
座りっぱなしの生活、運動不足
こうした生活が続くと、腸の中で
じわじわと“炎症”が続き、がんの
土台ができてしまうのです。
つまり、ヨーグルトをひとつ
足しただけで帳消しにできるほど
今の私たちの腸は甘くない、
ということなんですね。
がんは「免疫がサボる時間」が
長くなると育つ
実は人の体では、
毎日「がん細胞のタネ」が
約5000個も生まれている
と言われます。
でも普通は、免疫がきちんと働いて
これを片っ端から退治してくれて
います。
ところが、
腸の炎症
加齢
生活習慣の乱れ
などで、免疫がサボる時間が
長くなると、がん細胞は少しずつ
大きくなっていきます。
1個のがん細胞が、検査で見つかる
サイズになるまで10年以上かかるとも。
だからこそ、「見つける」だけでなく、
“そもそも育ちにくい体”をつくることが
とても大事になってきます。
その免疫の約7割が集まっているのが
「腸」です。
免疫の7割が住む
「腸」と、腸内細菌の本当の仕事
腸は、食事という「外の世界」が
直接入ってくる場所。
だからこそ、ここに免疫細胞の
7割以上が集まっています。
腸内細菌は、ただ“善玉菌・悪玉菌”
という単純な話ではなく、本当は
こんな仕事をしています。
・食物繊維を分解して「短鎖脂肪酸」を
作り、腸と免疫を守る
・侵入してきた菌を“仲間にするか
追い出すか”選別する
・免疫と会話して、「これは危険」
「これは大丈夫」と情報を伝える
・ビタミンB群・Kなどもつくる
そして腸内環境は、半年〜1年かけて
ゆっくり変わるもの。
抗生物質を飲んだ後は、半年経っても
元に戻らないこともあると言われます。
だから、本来の腸活とは
「今日ヨーグルトを1個足せばOK」
ではなく、生活全体を通して、
腸が気持ちよく働ける環境をつくって
あげることなんです。
「乳酸菌=正義」とは限らない
という現実
ここが、今日一番お伝えしたい
ポイントです。
1)すでに腸には“複雑な村”ができている
腸内細菌は、何千種類もの菌が
バランスをとりながら共存している、
小さな“村社会”のようなもの。
そこに、1種類の菌をドカンと
大量投入するのが、
「毎日同じ乳酸菌飲料」
「同じヨーグルトを習慣的に
大量に食べる」行為です。
合う人にはプラスになりますが、
人によっては、かえってバランスを
崩すこともある、というのが専門医の
視点です。
実際に、基礎疾患のある方などで、
乳酸菌がきっかけとなり敗血症や
心内膜炎といった重いトラブルが
起きた報告もあります。
(もちろん、普通の人がヨーグルト
1つで倒れる、という話ではありません
が、「絶対安全な善玉ヒーロー」では
ない、ということです)
2)「お通じが良くなった」が、
実は“下痢”なだけのことも
ヨーグルトを食べるとお通じが
良くなるから、と続けている方も
多いですよね。
でも、日本人の多くは大人になると
「乳糖を分解する酵素」が減って
しまうため、牛乳やヨーグルトで
お腹を下しやすい体質の方も
たくさんいます。
その場合、
「腸が元気になってスルッと出る」
のではなく
実は「乳糖不耐症による下痢」
だった…
ということも、珍しくないのです。
3)乳酸菌飲料の“甘い落とし穴”
さらに、乳酸菌飲料のラベルをよく見ると、
砂糖
果糖ブドウ糖液糖
がしっかり入っているものが
ほとんど。
腸にとってプラスかマイナスか…
乳酸菌そのものが仮に良い働きを
しても、一緒に入ってくる糖分が
腸内環境を乱すこともあります。
ここまで聞くと、
「じゃあヨーグルトはダメなの?」
と思われるかもしれませんが、
そうではありません。
大事なのは「ヨーグルト信仰」
ではなく、“自分の腸との相談”
結論を一言で言うと、
腸活=ヨーグルトではない
そして
乳酸菌があなたの腸に合うか
どうかは、人によって違う
ということです。
なので、
・ヨーグルトや乳酸菌飲料を
2〜3週間やめてみる
・その後、もう一度少量から試してみる
・「お腹の張り」「ガス」「便の状態」
「体調」を観察する
こんな“自分実験”をしてみるのも、
立派な腸活です。
合っているなら続ければいいし、
合っていないなら無理して
「毎朝食べなきゃ」と思う必要は
ありません。
本当の腸活は「静かな積み重ね」
・野菜や海藻、豆類などからの食物繊維
・いろいろな食品をバランスよく食べること
・よく噛むこと
・夜遅くにダラダラ食べないこと
こうした地味な習慣こそが、
腸にとっては一番のプレゼントです。
マスターキミーも、
「腸を含めた全身のめぐりが良い状態」
でいてこそ、肌や髪のケアも最大限に
活きてくると考えています。
今日のテーマが、皆さまの
“ヨーグルトとの付き合い方”を
見直すきっかけになれば嬉しいです。
